農業の諸問題を解決する可能性「Solar sharing」

「ソーラーシェアリング」とは

耕作地に地上から3mの位置に藤棚の様に架台を設置し、短冊状の太陽光パネルを幅を持たせて並べ、営農を続けながら太陽光発電を行うことです。作物にとって一定の光以上の太陽光は光合成に利用されず(光飽和点)、強い光は作物にとってかえってストレスとなります。また、遮光率は30%程度のもので作物の生育に支障がない様に考えられています。このソーラーシェアリングは日本の農業が抱えている農業従事者の高齢化、農家の跡継ぎ不足、耕作放棄地などの諸問題を解決する可能性を持っています。

光飽和点とは

植物は一定量の光があれば育ち、それを超える量(光飽和点)の太陽光は植物にとってそれ以上は成長に必要ありません。また、水分がなければ死にも直結する場合もあります。ほとんどの生物は太陽光が過剰な場合の対処として水分を蒸発して体温を下げています。下の左の図は各作物が一定の光以上は光合成の増大にはほとんど貢献できていない事を示しています。

各植物の光飽和点とは

農水省の指針

「ソーラーシェアリング」導入に関する農水省の指針が2013.4.1発表されました。導入にあたっては、
●架台の支柱部分を転用とみなし農業委員会の許可無しでは導入不可となる。
●転用は一時転用扱いとして導入計画により許可し、3年ごとに審査し見直す。
●営農の継続が担保されるとともに、作物の生産に支障がない遮光率で作業車の利用可能な空間が確保されている事。
●支柱は簡易な構造で、技術的・経済的に撤去が担保された計画である事。とされています。


国土の13%は農用地

日本の国土の大部分が森林で66%を占めています。また、日当りの良い平地の割合で多いのが農用地で13%の471万haを占めています。この日本にある農用地のうち、300万haにソーラーシェリングを導入すれば国内の総発電量すべてを賄う事も可能です。危険な原発やCO2の排出を高める火力発電所に頼らなくても自然エネルギーだけで電力エネルギーを賄える計算になります。狭い国土の日本に再生可能エネルギーだけで電力を補える大きな可能性があります。

ソーラーシェアリングの原理

 ほとんどの生物は太陽光が過剰な場合の対処として、水分を蒸散して体温を下げています。言い換えれば太陽光は生物にとって過剰なのです。
 植物の光合成と光の強さの関係特性においては、各作物には一定の光の強さ以上の光は光合成量の増大にほとんど貢献できないことがわかります。この光合成量がほぼ一定になる光の強さをその植物の光飽和点と呼びます。(例外としてサトウキビやトウモロコシのように飽和点を持たない植物もあります)この光飽和点の特性により耕作地や牧草地の剰余の光線から、農産・畜産物とともに電力をも得る方法、すなわち「ソーラーシェアリング」の考え方によって、太陽光発電には大面積が必要であるという最大の問題点が解決できる見通しが立ちました。
 作物の持っている基本的な性質を上手に利用すると、太陽光発電のパネルを細くして間隔を開き農作業に支障のない高さ(農業作業車が作業出来る高さ)の架台に取り付けて太陽光発電を行い、下の部分的に日陰が出来る農地では作物を収穫して広い農地で電力と作物の両方が得られるというソーラーシェアリングの基本的構造が出来ます。様々な基礎試験を実施することによって初めて、農家の資産価値を大幅に引上げられ、収入も増え、農家の後継者問題を根本から解決出来ることが期待されます。

ソーラーシェアリング設置イメージ図